営業職が「マネジメント職」に昇格するために、プレイヤー時代にやっておくべきこと
2026-04-28 公開
電機メーカー時代、担当エリアで月間売上トップになったことがある。「これで昇格できる」と確信していた。
ところが、上司から言われたのはこうだ。「君の数字はすごい。でも、君がいなくなったら、チームの数字はどうなる?」
その問いに、私は答えられなかった。自分の成功パターンを誰かに教えたことも、後輩の相談に乗った記憶もほとんどなかった。昇格はされなかった。
「数字を出しているのに、なぜ昇格できないのか」——この問いの答えを、私は4社・11年の営業キャリアを通じて探し続けた。その中で見えてきたことを、正直に話す。
なぜ「数字を出すだけ」では昇格できないのか
プレイヤーの仕事は「自分が成果を出すこと」。マネージャーの仕事は「チームが成果を出せる環境を作ること」だ。
個人で月100件の訪問ができる人が、チーム全員に訪問の質を高めさせることができるかは別の話だ。会社がマネージャー候補を見るとき、「この人はチームを動かせるか」という視点で観察している。
冒頭の話に戻ると、あの上司の一言で私が気づいたのはシンプルなことだった。「数字を出している」と「チームに貢献している」は、まったく別の話だということだ。
プレイヤー時代にやっておくべき3つのこと
① 自分の「再現性ある成功プロセス」を言語化する
「なんとなくうまくいっている」ではなく、「なぜうまくいっているのか」を言葉にできるようにする。
「初回面談では必ずこの順番で質問する」「提案書は必ずこの構成で作る」など、自分の成功パターンを他人に教えられる形に落とし込む。
これがマネジメントの基礎であり、「この人なら教えられる」という評価につながる。
私が営業代行会社にいたとき、自分の成約パターンを徹底的に分析したことがある。「初回面談の最初の5分で、相手が何に悩んでいるかを引き出す質問が3つある」「提案は必ず課題→原因→解決策の順番で話す」という自分だけのマニュアルを作った。
これを後輩に共有したとき、後輩の成約率が1ヶ月で15ポイント上がった。「自分がわかっていること」と「人に教えられること」の間には大きな差がある。その差を埋める努力が、マネジメント力の土台になる。
② 周囲への「貢献行動」を積み重ねる
後輩の相談に乗る、会議で建設的な意見を出す、チームの課題を自分ごととして考える。
こうした行動の積み重ねが「マネジメントに向いている人材」として認識される。
逆に「自分の数字だけに集中している人」は、どれだけ成績が良くてもマネジメント候補として見られにくい。
教育業界(塾の教室長)時代は、25名の講師スタッフを管理しながら自分も営業成果を出し続ける立場だった。毎日の授業後に「今日の授業で気になったことある?」と声をかけるだけで、講師の信頼が積み上がった。このような小さな「貢献行動」の積み重ねが、チームの雰囲気と成果を変えていく。
木材商社時代を振り返ると、自分の数字だけを追いかけて同僚への関心が薄かった。その結果、数字は出ていたが「プレイヤーとして使える人」という評価にとどまり、マネジメントに関わる機会がなかった。
③ 上司の「判断の視点」を学ぶ
「なぜ上司はこの意思決定をしたのか」を観察し、機会があれば意図を質問する。
マネジメント職に就いたとき、毎日何十もの判断を迫られる。その判断軸を事前に学んでおくことが、昇格後のスピードを大きく変える。
私が電機メーカー時代に意識していたのは、商談が終わった後に上司に「なぜあの場面でそう言ったのですか?」と質問し続けることだった。最初は「そんな細かいこと気にするのか」という顔をされた。でも続けるうちに、上司の判断軸が見えてきた。「長期的な関係より今期の数字を優先する場面」と「あえて数字を犠牲にして信頼を築く場面」の見極め方が、少しずつわかるようになった。
昇格を上司に「見せる」タイミング
準備ができたら、受け身で待つのではなく、上司に明確に意思表示することが重要だ。
「将来的にチームのマネジメントに携わりたいと考えています。今の私に何が足りないか、率直に教えてください」
この一言を言える人と言えない人では、昇格のスピードが変わる。
多くの人が「言わなくてもわかってもらえる」と思っている。しかし上司は複数の部下を抱えており、全員の将来の希望を把握する余裕はない。「この人はマネジメントを目指しているんだ」と明確に認識させることで、上司の目が変わる。
教育業界で入社2年目にチーフに昇格できたのは、入社3ヶ月目に上司に「マネジメントを経験したい」と直接伝えたことが大きかったと思っている。その言葉があったからこそ、上司が私に「後輩の面談に同席してみて、フィードバックをあげてほしい」という機会を作ってくれた。
昇格できない環境なら「転職」という選択肢も
会社の規模や体制によっては、昇格ポストが空かない、年功序列が強すぎるなど、努力だけではどうにもならない壁がある。
その場合、「マネジメント経験を積める会社に転職する」ことがキャリアを前進させる現実的な選択肢だ。
プレイヤーとして実績がある人材は、他社でのマネジメントポジションへの転職が十分狙える。
私が木材商社を離れた理由のひとつもそれだった。当時の会社は年功序列が強く、「若くてもリーダーになれる環境ではない」と判断した。転職先の電機メーカーは「実力主義」を掲げており、実際に若手がマネジメントに関わりやすい文化があった。
ただし、転職先でも「プレイヤーとしての実績+マネジメントへの意思表示」がなければ同じことの繰り返しになる。転職は環境を変えるツールに過ぎず、自分が変わらなければ結果は変わらない。
まとめ:昇格はプレイヤーの延長線上にはない
個人の数字を磨くだけでなく、言語化・貢献・視座の3つを意識してプレイヤー時代を過ごすことが、マネジメントへの道を開く。
| やること | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 成功の言語化 | 自分の成功パターンを人に教えられる形にする | 「この人は教えられる」という評価 |
| 貢献行動 | 後輩支援・会議での発言・チームへの関心 | 「マネジメント向き」という認識 |
| 視座の取得 | 上司の判断意図を観察・質問する | 昇格後の判断スピードが上がる |
どれかひとつでも「今の自分にできていない」と感じたなら、まずそこから始めてみてほしい。
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※本記事は筆者の実体験をもとに作成しています。会社名・個人名・特定できる情報はすべて匿名化しています。
