在職中に転職活動する方法|バレずに進めるコツと注意点
2026-05-14 公開
「会社を辞めてから転職活動しようと思っている」という人に会うたびに、私は必ず止める。その判断は、後悔する確率が高い。
私はこれまで4回転職してきた。木材商社、電機メーカー、営業代行会社、そして現在の教育関連企業。4回すべて在職中に活動し、一度も「退職後に転職活動」をしたことはない。その経験から言わせてもらうと、在職中の転職活動は決して難しくない。むしろ退職後よりずっと有利だ。
在職中転職 vs 退職後転職、どっちが正解か
結論から言う。在職中一択だ。
退職後に転職活動をする人の言い分は大体こうだ。「仕事しながら活動する時間がない」「今の職場に集中できない」「早く辞めてリセットしたい」。気持ちはわかる。だが退職後の転職活動には致命的なリスクがある。
焦りが判断力を狂わせる。
収入がゼロになった状態で転職活動をすると、3ヶ月目あたりから精神的に追い詰められる。「どこでもいいから決めてしまいたい」という気持ちになり、条件の悪い企業に飛びついてしまう。私の周りでも、退職後に活動して「前職より悪い環境に転職してしまった」という人を何人も見てきた。
在職中なら、内定が出ても「ちょっと待ってください」と言える。この精神的余裕は何物にも代えがたい。
在職中転職のメリット
メリットを整理すると以下の3つになる。
精神的余裕がある 収入が途切れないので、焦らずに活動を進められる。「この会社は何か違う」と感じたら断れる。在職中だからこそ、納得するまで動ける。
収入が継続する 転職活動の期間は人によって2ヶ月から半年以上かかることもある。その間、無収入の状態が続くのは精神的にも生活上も厳しい。在職中ならその心配がない。
交渉が有利になる 内定後の年収交渉でも「現職でいくらもらっているか」が重要な基準になる。在職中は現職の給与をベースに交渉できるため、提示額が高くなる傾向がある。無職の状態では「早く決めたいだろう」と足元を見られることもある。
バレないための具体的な注意点
在職中の転職活動で多くの人が恐れるのが「会社にバレること」だ。以下の点を押さえておけば、まず問題ない。
転職サイトのプロフィール設定 リクナビNEXTやdodaなどの転職サイトに登録する際、「在職中につき、現職の会社には非公開にする」設定が必ずある。これを必ずオンにすること。現職の会社の採用担当がスカウトを出している場合、自分のプロフィールが見えてしまうリスクがある。登録直後に設定することが鉄則だ。
SNSの扱い 転職活動中は、LinkedInやX(旧Twitter)で転職に関する発信を控えること。「転職活動中」「面接行ってきました」といった投稿が、意外な経路で上司や同僚の目に触れることがある。特にLinkedInは、プロフィールを更新するとつながりのある人に通知が行く仕組みになっているため注意が必要だ。
面接の設定の仕方 平日に面接を入れる場合、午前中の早い時間(8〜9時台)か、夕方以降(18時以降)に設定をお願いするのが基本だ。多くの企業は在職中の候補者に配慮してくれる。「在職中のため、平日は18時以降か土曜日にお願いできますか」と最初から伝えてしまって構わない。
身だしなみに気をつける スーツで出勤が珍しい職場の人は要注意だ。面接の日にいつもと違う格好をすると目立つ。私はスーツが必要な面接の日は、朝は普段着で出て、会社近くのコンビニやカフェのトイレで着替えるようにしていた。少し手間だが、疑われるリスクを避けるためには有効だ。
スケジュールの組み方
在職中の転職活動で「時間がない」という人の多くは、スケジュールの組み方が非効率なだけだ。
平日夜の使い方 書類作成・エージェントとの電話面談・企業研究は平日夜でできる。就業後の19〜22時の3時間を週3〜4日確保するだけで十分進む。
土日の使い方 面接は土曜日に集中させる。多くの企業が土曜対応してくれる。1日に2〜3社の面接を入れることも可能だ。私は転職活動のピーク期には、土曜日を「面接日」と決めて予定を入れていた。
活動期間の目安は3〜4ヶ月だ。1ヶ月目は登録・書類作成・エージェント面談、2〜3ヶ月目は書類選考・一次面接、3〜4ヶ月目で最終面接・内定・条件交渉というスケジュールが現実的だ。
有給休暇の戦略的な使い方
最終面接や複数社の面接が重なる時期には、有給休暇を使う必要が出てくる。このとき、まとめて使わずに分散させるのがポイントだ。
「来週と再来週に1日ずつ休む」のと「来週月曜から3日連続で休む」では、周囲の反応がまるで違う。私は有給を使う際は理由を聞かれても「私用があって」とだけ答えていた。詳細を話す必要はない。有給は権利であり、理由の説明義務はない。
また、有給残日数は事前に確認しておくこと。転職活動が佳境に入ったタイミングで「有給が残り1日しかない」となると苦しくなる。活動開始前に有給の残数を把握しておく。
私が4回とも在職中に転職できた理由
振り返ると、在職中に転職できた最大の理由は「辞めてから考える」という選択肢を最初から排除していたことだと思う。
2回目の転職(電機メーカー→営業代行)のときは、職場の人間関係が相当しんどかった。正直、すぐにでも辞めたかった。それでも「辞めるのは内定が出てから」と決めて、6ヶ月間耐えながら活動した。結果として希望の条件に近い企業から内定をもらえた。あのとき感情に任せて辞めていたら、焦って妥協していたはずだ。
転職活動は感情ではなく戦略で動く必要がある。在職中に進めることは、その戦略の基本中の基本だ。
まとめ
在職中の転職活動を成功させるポイントをまとめると以下の通りだ。
- 退職後に活動するのは悪手。在職中一択。
- 転職サイトの「現職非公開」設定は登録直後に必ずオンにする
- 面接は平日夜・土曜に集中させ、有給は分散して使う
- スーツへの着替えなど、バレるリスクの芽を一つひとつ摘む
- 内定が出るまで絶対に辞めない
「今の会社を辞めてから考えよう」という気持ちはわかる。だが在職中に動き切った方が、結果的に良い転職ができる。まずは転職エージェントに登録して、情報収集から始めてみてほしい。
