インサイドセールスへの転職は"狙い目"か?未経験歓迎の急増求人を営業4回転職の私が正直に分析する
2026-07-15 公開
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この記事はこんな人向け
- インサイドセールスへの転職が「狙い目」か知りたい営業経験者
- 外回り営業に疲れて内勤営業を検討している人
- SaaS・IT業界の営業職に興味がある20代
最近、転職サイトを眺めていると「インサイドセールス」という職種の求人がやたら目につくようになった。しかも「未経験歓迎」「営業経験者優遇」の文字が並ぶ。
外回りに疲れた営業マンからすると、「内勤で、しかも今伸びている職種」というのは、かなり魅力的に見える。同じように感じて、求人をブックマークしている人も多いはずだ。
先に立場を明かしておく。私はインサイドセールスそのものを経験したことはない。木材商社・電機メーカーで有形商材を、営業代行・塾・イベント会社で無形商材を売ってきた4回転職の営業マンだ。ただ、営業代行の時代には電話でのアプローチも含めた新規開拓を経験しているので、「訪問せずに売る動き」のきつさと面白さは、部分的には肌で知っている。
その立場から、「飛びつく前に知っておいてほしいこと」を正直に書く。
そもそもインサイドセールスとは何か
インサイドセールス(内勤営業)は、ざっくり言えば**「訪問せずに、電話・メール・オンライン商談で見込み客と関係をつくる営業」**だ。
従来の営業(フィールドセールス)が実際に客先へ足を運ぶのに対し、インサイドセールスはオフィスの中で完結する。特にSaaS企業でよく使われる分業モデルでは、役割がこう分かれている。
- IS(インサイドセールス):見込み客を電話やメールで温め、商談化する
- FS(フィールドセールス):温まった見込み客に提案し、契約を決める
- CS(カスタマーサクセス):契約後の顧客を支援し、継続・追加契約につなげる
つまりインサイドセールスは「入口」を担う役割だ。テレアポと混同されがちだが、目的が違う。テレアポが「アポを取ること」に特化しているのに対し、インサイドセールスは「見込み客と信頼関係をつくり、買う準備が整った状態まで育てる」ところまでを担う。ここは押さえておきたい違いだ。
この分業モデルの中心にあるSaaS業界そのものについては、別記事で詳しく書いている。
→ 関連記事:営業からSaaS・IT営業に転職する方法|未経験でも行けるのか正直に答える
なぜ今、インサイドセールスの求人が増えているのか
理由は大きく2つある。
ひとつは、SaaS・IT業界の成長だ。クラウド型のサービスが各業界に普及し、それを売る会社が増えた。そうした会社の多くが、効率よく見込み客を育てるためにインサイドセールスという分業体制を取り入れている。
もうひとつは、営業の"効率化"の流れだ。訪問中心の営業はどうしても移動時間がかかる。オンライン商談が当たり前になったことで、「わざわざ足を運ばなくても売れる」領域が広がった。AIやツールで見込み客の動きを可視化できるようになり、内勤で数多くの見込み客に効率よくアプローチする手法の価値が上がっている。
大手の転職サービスのデータでも、インサイドセールスやカスタマーサクセスといった職種の求人はここ数年で大きく伸びている、という傾向が示されている。
営業経験者がインサイドセールスに向いている理由
結論から言うと、外勤営業の経験者は、インサイドセールスと相性がいい。理由はいくつかある。
1. ヒアリングと関係構築のスキルがそのまま活きる
インサイドセールスの本質は「相手の課題を聞き出し、信頼を積み上げること」だ。これは訪問営業でやってきたことと同じで、手段が電話・オンラインに変わるだけ。ゼロから覚え直す必要はない。
2. 断られ慣れている
新規のアプローチには「断られる」がつきものだ。営業経験者は、この耐性がすでにある。営業代行で新規開拓をやっていたとき痛感したが、断られ続けてもメンタルを保てるかどうかは、経験の有無で驚くほど差が出る。
→ 関連記事:営業代行会社に転職してわかった、"何でも売れる営業"になるための最短ルート
3. 数字を追う働き方に慣れている
インサイドセールスは、架電数・商談化率・パスした案件の受注率など、数字で管理される仕事だ。目標を数字で追う働き方に抵抗がない営業経験者は、この環境になじみやすい。
「狙い目」と飛びつく前に知っておくべき3つのこと
ここからが本題だ。魅力的に見えるインサイドセールスにも、飛びつく前に知っておくべき現実がある。
1. 「内勤=ラク」ではない
「外を歩かなくていい」という理由だけで選ぶと、たいてい後悔する。インサイドセールスは1日に何十件も電話やメールで接触し、常に数字で追われる。移動という"物理的な休憩"がないぶん、席に座りっぱなしで断られ続ける精神的なきつさがある。私も新規開拓で電話アプローチをしていた時期があるが、外回りとは違う種類の消耗があった。ラクだから選ぶ職種ではない。
2. 会社によって役割の重みが全然違う
同じ「インサイドセールス」でも、実態は会社ごとにバラバラだ。見込み客をじっくり育てる戦略的な役割の会社もあれば、実質は「アポ取り部隊(テレアポ)」に近い会社もある。求人票の職種名だけで判断せず、面接で「1日の具体的な動き」「評価される指標」「FSやCSとの分担」を必ず確認するべきだ。ここを確認しないと、「思っていたのと違う」が起きやすい職種でもある。
3. 「未経験歓迎」の言葉を鵜呑みにしない
求人に「未経験歓迎」とあっても、その裏には「離職率が高くて人が定着しない」ケースが混じっていることがある。これはインサイドセールスに限らないが、成長職種で求人が多い分野ほど、玉石混交になりやすい。給与体系(固定給と成果給の割合)、評価のされ方、教育体制を確認せずに飛びつくのは危険だ。「未経験歓迎」の求人の正しい見方は、別記事で詳しく書いている。
→ 関連記事:営業職の転職で「未経験歓迎」に飛びついてはいけない理由と、正しい求人の見方
インサイドセールスが向いている人・向いていない人
これまでの内容をふまえて、正直に振り分けるとこうなる。
向いている人
- 訪問より、多くの相手と効率よく対話するほうが得意
- 数字(架電数・商談化率など)で管理される働き方に抵抗がない
- 断られてもメンタルを立て直せる
- 将来的にFS(提案営業)やCS(顧客支援)、マネージャーへとキャリアを広げたい
向いていない人
- 「内勤だからラクそう」という理由だけで選ぼうとしている
- 対面で関係を築くほうが圧倒的に力を出せる
- 数字で細かく管理されるとしんどくなるタイプ
特に最後の「内勤だからラク」で選ぼうとしている人は、いったん立ち止まってほしい。それは、私が4回の転職で何度も見てきた「入ってから後悔するパターン」の典型だからだ。
対面と内勤のどちらで力を出せるかは、扱う商材との相性ともつながっている。「有形か無形か」という軸での向き不向きは、別記事で正直に比較した。
→ 関連記事:有形商材と無形商材、営業の転職で有利なのはどっち?両方やった私の正直な結論
自分に合うかどうか、迷ったら
「インサイドセールスに興味はあるが、自分に合うか確信が持てない」なら、職種名から入るのではなく、自分のタイプから逆算するのがおすすめだ。20代営業向けに、タイプ別で合う転職サービスを振り分けた診断記事を用意している。
→ 関連記事:【タイプ別診断】20代営業マンに合う転職サービスはどれ?8つの選択肢を正直に振り分ける
また、SaaS・IT系の求人は非公開のものも多く、会社ごとのインサイドセールスの実態(戦略的なISか、実質テレアポか)は求人票だけでは見抜きにくい。営業職に強いエージェントに内情を聞くのが、一番確実な確認方法だ。
→ 関連記事:営業マンにおすすめの転職エージェント3選【4回転職した筆者が本音で比較】
まとめ:狙い目なのは事実。でも「職種名」で選ぶな
- インサイドセールスの求人が増えているのは事実。営業経験者にとってチャンスが多い職種
- ヒアリング力・断られ耐性・数字を追う働き方など、営業経験がそのまま活きる
- ただし「内勤=ラク」ではない。移動がないぶんの精神的なきつさがある
- 同じ職種名でも会社ごとに実態が大きく違う。面接で「1日の動き」「評価指標」を必ず確認する
- 「未経験歓迎」は玉石混交。給与体系・評価・教育体制を見てから判断する
インサイドセールスは、確かに今、勢いのある職種だ。ただ、大事なのは「伸びている職種だから」ではなく「自分がその働き方で成果を出せるか」で選ぶこと。職種名の新しさや求人の多さに流されると、判断を誤る。
外回りに疲れて内勤に逃げ込むのではなく、「自分は対面と内勤、どちらで力を出せる人間なのか」——そこを見極めてから動いてほしい。
※本記事は筆者の実体験および公開情報をもとに作成しています。筆者はインサイドセールス職の勤務経験はなく、その部分は調査と近接経験に基づく分析です。会社名・個人名・特定できる情報はすべて匿名化しています。
