育児のために塾を辞めた営業マンが、ワークライフバランスを転職理由にして落ち続けた話
2026-07-01 公開
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この記事はこんな人向け
- 育児や家庭の時間を理由に転職したいが、面接でどう伝えればいいか迷っている人
- 「ワークライフバランス重視」と言って転職活動がうまくいかない人
- 夜型の働き方(塾・サービス業など)から生活リズムを変えたい営業職の人
転職活動で、立て続けにお祈りされた時期がある。
理由は、今ならはっきり分かる。「ワークライフバランスを整えたい」を、面接の主役にしてしまっていたからだ。
最初に言っておくと、僕の転職の動機そのものは、何も間違っていなかったと思っている。塾業界で働いていた頃、定時が夜22時で、子どもが起きている時間に家にいられなかった。「このままだと、子どもの成長をほとんど見られないまま数年が過ぎる」——その危機感は本物だったし、今振り返っても正しい判断だった。
間違っていたのは、動機ではなく伝え方だけ。この記事は、同じように「働き方を変えたい」「家庭の時間がほしい」という本音で転職活動をする人に向けて、僕がやらかした失敗と、そこから見つけた「通る言い方」を書いたものです。
塾の「22時が定時」で、育児ができなかった
僕がいた塾業界は、構造的に夜型だ。生徒が学校から来るのは夕方以降だから、こちらの勤務はそこから始まって、終わるのは夜。定時が22時、繁忙期はそれより後ろ倒しになる日もあった。
朝は子どもがまだ寝ている時間に家を出て、帰ると子どもはとっくに寝ている。土日も模試や保護者対応で埋まりがちで、「家族で過ごす平日」というものが、生活からほぼ消えていた。
仕事自体が嫌いだったわけじゃない。生徒の成績が上がる瞬間も、保護者に感謝される瞬間も、やりがいはちゃんとあった。それでも、「子どもが小さい今の数年間は、二度と戻ってこない」と思ったとき、働き方そのものを変えるしかない、という結論になった。
これが、僕の転職理由の“本音”だった。
「育児のために働き方を変えたい」と正直に言ったら、お祈りが続いた
最初の面接で、僕は正直に言った。
「育児の時間を確保したくて、今の働き方では難しいので転職を考えています」
嘘はつきたくなかったし、入社後にミスマッチが起きるくらいなら、最初から本音を伝えたほうがフェアだと思っていた。
結果は、お祈りだった。それも一社じゃない。働き方や家庭の事情を正直に出した面接は、面接官の空気が途中で変わるのが分かった。質問が深掘りされず、当たり障りのないやり取りで終わる。「あ、これは落ちたな」と、部屋を出る前に分かる感覚が何度かあった。
当時は「正直に言ってるのに、なんで評価されないんだ」と、正直ちょっと腐っていた。
なぜ落ちたのか:面接官は「意欲」と「定着」を疑っている
あとから採用側の視点を理解して、ようやく腑に落ちた。面接官が「ワークライフバランス」「働き方を変えたい」という言葉を聞いたときに、頭の中で点滅させているのは、だいたい次の2つの不安だ。
ひとつは、仕事への意欲。「楽をしたいだけなんじゃないか」「責任の重い仕事は避けたいタイプなのでは」という疑い。
もうひとつは、定着するかどうか。「うちに入っても、少しでも残業が出たら、また同じ理由で辞めるんじゃないか」というリスク。
採用は、結局のところ「この人はうちで活躍して、長く働いてくれるか」を見極める場だ。そこに「働き方を楽にしたい」という言葉だけをポンと置くと、面接官には“貢献の意志”ではなく“こちらの都合”として聞こえてしまう。
つまり僕は、正直に話したつもりで、自分の都合だけを並べて、貢献の話を一切していなかった。落ちて当然だったのだ。
ここで大事なのは、「だから本音を隠せ」という話ではないということ。本音は伝えていい。ただし、本音を“面接で通る形”に翻訳する手間を、僕はサボっていた。
落ちた言い方/通った言い方(実例)
同じ動機でも、出し方を変えただけで反応がはっきり変わった。当時の僕のビフォーアフターを、できるだけそのまま書く。
NG:本音そのまま
「夜22時まで働く環境で、育児の時間が取れないので、働き方を変えたくて転職を考えています」
これは、面接官からすると「現職への不満」と「自分の都合」しか入っていない。あなたが入社後に何をしてくれる人なのかが、一文字も入っていない。
OK:同じ動機を「目的」に変換する
「現職では生活が完全に夜型で、家庭の時間を取りづらい状況でした。これは自分にとって、長く腰を据えて成果を出し続けるうえで無理が出る働き方だと感じています。御社のような日中型の環境であれば、これまで営業で培ってきた〇〇を、消耗せずに長期で発揮できると考えました」
変えたのは事実関係ではない。「働き方を変えたい」の後ろに、「だから長く・しっかり成果を出せる」という貢献の話を必ずつなげただけだ。
ポイントは3つに整理できる。
- 不満で終わらせず、目的に変換する。 「育児の時間がほしい」で止めず、「だから消耗せず長期で成果を出したい」まで言い切る。働き方の改善は“ゴール”ではなく“成果を出すための手段”として語る。
- 改善努力に触れる。 現職で働き方を変えようと動いた経緯(相談した、効率化を試した等)が一言あると、「不満を他責にする人」ではなく「当事者として動ける人」に見える。
- その会社なら実現できる根拠を添える。 「御社の平均的な働き方なら問題なく続けられます」という一言で、定着の不安をこちらから消しにいく。
ちなみに、メンタル面の不調や「うつっぽくて」みたいな表現は、本音でも面接では出さないほうがいい。「また同じ理由で辞めるのでは」という定着の不安に直結してしまうからだ。伝えるなら「健康な生活リズムを取り戻して、長く働きたい」という前向きな目的の形にする。
この「転職理由をどう変換するか」というテーマは、ワークライフバランスに限らず転職面接の核心だ。面接での転職理由の答え方そのものは、転職面接「なぜ転職したいのですか?」——本音の変換術で詳しくまとめているので、面接が近い人はあわせて読んでほしい。
塾からイベント業界に移って、実際どうだったか
伝え方を変えてから、面接の手応えは明らかに変わった。最終的に、僕は塾業界からイベント業界へ移った。
正直に書くと、転職して全部がバラ色になったわけではない。業界が変われば覚えることは山ほどあるし、イベント業も繁忙期はそれなりに動く。「ワークライフバランス重視で転職しました」と言っておきながら、入社直後に残業が続いた時期もあった。
それでも、生活リズムが夜型から昼型に戻ったことの効果は大きかった。子どもが起きている時間に帰れる日が当たり前になり、「何のために転職したのか」という軸がブレなかった。働き方を変えるという目的は、ちゃんと果たせた。
この経験で学んだのは、転職理由は「正直さ」と「伝え方」を分けて考えるということ。正直であることはむしろ武器になる。問題は、正直な本音をそのまま面接にぶつけるか、面接官に伝わる形に翻訳してから出すか、その一手間の差だけだった。
同じ立場の人へ:正直さは武器、出し方だけ間違えない
もしあなたが今、「働き方を変えたい」「家庭の時間がほしい」という理由で転職を考えていて、それを面接でどう言えばいいか迷っているなら、伝えたいことは1つだけ。
動機を隠す必要はない。隠すべきなのは「自分の都合だけで終わる言い方」だ。
同じ「育児のために働き方を変えたい」でも、
- 「育児の時間がほしいから」で止めると、落ちる
- 「育児と両立しながら、消耗せず長期で成果を出したいから」まで言い切ると、通る
たったこれだけの差で、僕の転職活動は前に進み始めた。本音を大事にしながら、面接官の不安だけを先回りして消してあげる。それができれば、ワークライフバランスは立派な転職理由になる。
伝え方を一緒に整理してくれる相手を持つ
とはいえ、「自分の動機をどう言い換えれば通るのか」を、一人で客観的に組み立てるのは難しい。僕自身、落ち続けた時期に足りなかったのは、第三者の視点だった。
転職理由の翻訳や面接対策まで踏み込んで相談したいなら、エージェント選びがそのまま結果を左右する。営業職でどのエージェントを使うかは、営業マンにおすすめの転職エージェント3選【4回転職した筆者が本音で比較】に、実際に使った本音をまとめている。
なかでも営業職という軸で一枚加えておきたいのがtype転職エージェントだ。ITと営業の領域に強く、対象は20〜40代、勤務エリアは首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)が中心とされている。まず担当者との面談から始まるスタイルなので、「働き方を変えたい理由をどう伝えるか」を相談しながら整理したい人に向いている。私自身は使っていないので体験談ではなく、公開情報をもとにした案内だ(以下は広告リンクを含む)。
